古今和歌集⑫壬生忠岑、紀友則の和歌（掛軸断簡古筆切くずし字仮名不昧公）経年による色焼けがございます

古今和歌集⑫壬生忠岑、紀友則の和歌（掛軸断簡古筆切くずし字仮名不昧公）経年による色焼けがございます

室町時代に書かれた古今和歌集・古筆切（未表装）を出品いたします。

桐箱に同梱されていた元亀二年（1571）の年号の入った文が古筆と同一・同質の和紙でありましたため、書かれた年代は元亀二年（1571）以降と推定されます。

この古今和歌集の筆者の特定はできませんでしたが、過去の所蔵者は次の通りとなります。


(１)会津松平家２代藩主・保科正経（1647－1681年）

奥書に「源正経」との署名がありましたので、「保科筑前守源正経」が過去に所蔵していた古筆切と判断いたしました。（会津松平家は、江戸幕府２代将軍徳川秀忠の四男で保科家へ養子に入った保科正之を家祖としており、徳川家との親交も深いです。）

(２)出雲松江藩10代藩主・松平治郷（不昧公）正室・方子姫（1752年－1829年）

出品した古筆切の左下に方子姫の落款がございます。方子姫は、仙台藩6代藩主・伊達宗村の娘で、松平治郷（不昧公）の正室となりました。


(３)仙台藩侍医・木村寿禎（1774－1834年）

出品した古筆切の右上に「壽禎」の落款印がございます。


＜古筆切の状態について＞
未表装です。
経年による色焼けがございます。


＜古筆切の裏からの画像について＞
肉筆による墨の濃淡が分かるよう古筆切の裏側の写真を掲載いたしました。

＜寸法＞
　縦27cm、横7.6cm

＜送付方法等＞
・送料は出品者負担、ゆうパック（匿名配送）にて発送致します。到着希望日時の指定ができませんので、ご了承下さい。
・古筆はA4サイズのクリアファイルに入れた状態でお送りいたします。
・読み下し文と現代語訳をお付けいたします。


＜読み下し文＞
たゝみね
たきつせ（瀬）にね（根）さしとゝめぬ浮草のうきたる恋も我はするかな（和歌番号592）

とものり
宵々（よひよひ）にぬ（脱）きて我ぬ（寝）るかり（狩）衣かけて思はぬ時のま（間）もなし（和歌番号593）


＜現代語訳＞
壬生忠岑
川の急流では根無しの浮草が流れのまにまに漂っている。私がしているのは相手の心しだいの不安な恋。（和歌番号592）

紀 友則
毎晩寝る時には私は着物を脱いでかけることにしている。あの人のことを心にかけて思う点では、昼夜を問わず、思わない瞬間もない。（和歌番号593）

※ご使用の端末によって実物と色が異なる場合がございます。

古今和歌集⑫壬生忠岑、紀友則の和歌（掛軸断簡古筆切くずし字仮名不昧公）経年による色焼けがございます